EXHIBITIONS

フランク・ゲアリッツ「彫刻と版画」

2019.11.02 - 12.28

フランク・ゲアリッツ ブロックフォーメーション II 1990 / 2019

フランク・ゲアリッツ ブロックフォーメーション II 1990

 フランク・ゲアリッツは1964年ハンブルク生まれ。抽象的・幾何学的な言語によって平面作品を制作している。現在も同地を拠点に、ヨーロッパ、アメリカ、日本で定期的に作品を発表し、その作品はヴェサーブルク美術館(ブレーメン)、ハーグ市立美術館、ナショナル・ギャラリー(ワシントンDC)、ブルックリン美術館(ニューヨーク)など多くの美術館、個人コレクションに収蔵されている。

 人間の頭部などの石彫からキャリアをスタートしたゲアリッツ。その後、鉄を鋳造して作ったブロックを組み合わせる抽象度の高い彫刻作品へ、そして彫刻の底の面、床と接して通常は見ることのできない面を視覚的に提示したいという欲求から、彫刻の底の面に直接インクを載せて紙に刷りとる版画作品に取り組む。ゲアリッツはこれらの版画作品を「Standfläche(占有された領域・面)」と呼び、彫刻作品が占有する場所を可視化。その後、底面のみならずすべての面を鉛筆でドローイングするようになり、いまの平面の仕事につながる。

 本展では、ゲアリッツの出発点である彫刻作品と、そこから生まれた版画作品に注目。そして様々な理由で離れ、昨年に再開したばかりの彫刻作品より、代表作の《ブロックフォーメーション II》(1990 / 2019)などを展示する。