EXHIBITIONS

中村哲也

NEW・BALANCE

中村哲也 独立した形体 2016

中村哲也 独立した形体 2016

中村哲也 独立した形体 2016

中村哲也 ヒドラ 2012

中村哲也 フランケン 2014

中村哲也 フランケン 2014

中村哲也 風刃-プロトタイプ 2011

中村哲也 スピードストラクチャー 2014

 長野県在住の作家、中村哲也は東京藝術大学院美術研究科で漆芸を学び、物質の表面性に着目。昆虫の標本や亀の剥製、捨てられたトロフィーなど既存の物質を素材として使い、物質の持つ意味性と装飾性を増幅させた作品を発表してきた。

 1998年より「スピード」と「改造」という現代社会を象徴するテーマで、ジェット機を思わせる彫刻作品「レプリカシリーズ」を展開。同時に形状の持つ固有のメッセージ性に着目し、強いものをより強く、速いものをより速くみせる為のペイントパターンそのものを彫刻として自立させ、抽象的でありながら強いイメージの純粋立体作品を発表している。

 本展で中村は新しい展開として、錆びついた導水管や巨大クレーン、発電用タービンや計器類が遺された産業遺跡を想わせる発電所美術館の独特な展示空間全体を使い、ロボット型をした奇妙な造形の彫刻作品や、朽ち果てそうに見える近未来的な彫刻作品を発表。濃厚な立体作品の集合体が出現し、力と力がぶつかり合う会場で「新しい均衡」を探る。