EXHIBITIONS

EARTHSCAPE

KASHIYAMA DAIKANYAMA
2019.10.18 - 10.27

Photo by Yuna Yagi

Photo by Yuna Yagi

 宮城県丸森町の里山にある大蔵山スタジオとデザイナー・柳原照弘が、リサーチプロジェクト「EARTHSCAPE」を新たにスタート。「DESIGNART TOKYO 2019」の代官山会場のひとつ、KASHIYAMA DAIKANYAMAにてその序章となる展示を行う。

 柳原は1976年香川県生まれ、2002年に自身のスタジオを設立。「デザインする状況をデザインする」という考えのもと、国やジャンルの境界を超えたプロジェクトを手がけている。いっぽう、大蔵山スタジオは「伊達冠石(だてかんむりいし)」の採石場を持つ工房兼デザインスタジオ。建築家、デザイナー、アーティストに、マテリアルとして伊達冠石を提供するだけでなく、大蔵山の石・土・木などのリサーチワークを行い、オリジナルプロダクトを開発している。

 かねてから大地の記憶そのものである石への憧憬を持ってきたという柳原は大蔵山スタジオに通い、リサーチワークを実施。ふたつとない伊達冠石と、その魅力を生み出した大地の動きのダイナミズム、山と石、石と人の関係を紡いできた大蔵山の物語をすくい取るようにプロダクトの素材を選んだ。柳原とともに、アーティストでフォトグラファーの八木夕菜も山を歩き、100年近い歴史を持つ採石場の大地や風土と、原石の関係性をとらえた。

 本展では、伊達冠石の肌の色、加工した石目の味わい、風化した土など、マテリアルの美しさと可能性を表現した柳原の作品と、八木が撮影した写真を展示。両者の作品が呼応し、伊達冠石の背景にある目に見えない力と物語の一端を感じさせるだろう。