EXHIBITIONS

絵の旅 - どこか遠くへ Journey of Painting vol.4

津上みゆき 野又穫

2019.10.12 - 11.02

津上みゆき View, a slope, 10am 7 Oct 18 / 2019 2019

津上みゆき View, a street, 7:40pm 8 Feb 2019 2019

野又穫 Torch - 4 2019

 絵をテーマとしたMA2 Galleryの展覧会シリーズ「絵の旅」の4回目では、津上みゆきと野又穫(のまた・みのる)の2人を紹介する。

 津上は1973年東京都生まれ、京都造形芸術大学大学院修了。96年ニューヨーク滞在中に制作と作品について再考する機会を得て、帰国後独自の絵画を改めて探求し始める。2003年 VOCA賞受賞。2005年大原美術館の滞在制作プログラムで日々のスケッチを元に風景画を描くという現在まで続く制作方法を確立した。作品すべてのタイトルに冠する「View」という言葉は、たんに主題が眺めや風景だけでなく、見方や観点という広義を意識した制作に取り組んでいることに由来する。主な個展に、「時をみる」(上野の森美術館ギャラリー、東京、2018)、「View-人の風景」(長崎県美術館、2019)。
 
 野又は1955年東京都生まれ。79年東京藝術大学美術学部デザイン科を卒業後、実在しない建造物をモチーフとした独自の空想建築絵画を描き始め、これまでに「ニュー目黒名〈画〉座」(目黒区美術館、1993〜94)、「野又穫の空想建築」(リアス・アーク美術館、宮城、1995)など多数の個展を開催してきた。現実と非現実の境界を取り払うかのように、建築、自然、街の姿を創出するいっぽうで、透徹した視線は光や「気」のように、かたちのないものにも目を向け、場の気配を描くことに力を注いでいる。

 今回のキーワードは「どこか遠くへ」。2人が描く絵画が、知らない街や海といった、あてもないような場所へ連れ出してくれるだろう。