EXHIBITIONS

松澤宥展 《Śarīra還り骨》2019

没後12年 いま蘇る Ψの自然と超自然 / 宥池会コレクションから

ギャラリーセラー
2019.10.15 - 11.13

松澤宥 Ψのマンダラのために 1966

「日本概念派」を開祖したコンセプチュアル・アートの先駆者・松澤宥。その作品群を保存する宥池会のコレクションによる展覧会が開催される。

 松澤は1922年長野県諏訪郡下諏訪町生まれ。64年に「オブジェを消せ」の啓示を受けたとされ、66年には「人類よ消滅しよう行こう行こう」という言葉を生み出した。「オブジェを消せ」「人類よ消滅しよう」「美術の終焉」といったセンセーショナルなコピーを垂れ幕にし、会場に展示するなどのパフォーマンスが瀧口修造や中原佑介ら美術評論家たちの目にとまり、70年の第10回日本国際美術展「人間と物質」展に参加。71年には、樹上小屋「泉水入瞑想台」を完成させるなど独自の創作活動を続けた。

 80年代以後は「量子芸術」という異次元の美の概念を提唱し、『量子芸術宣言芸術のパラダイム・シフト』(1988)を刊行。下諏訪の自宅兼アトリエに「プサイ(ギリシャ語のψ)の部屋」と名づけられた。過去に制作した情念的なオブジェなどが置かれた部屋で、東洋的な宗教観、宇宙観、現代数学、宇宙物理学などを組み入れながら思考を深め、それらから導き出された思想、観念そのものを芸術として表現しようと試みた。2006年の没後も、戦後美術から現代美術までを回顧する企画展にたびたび取り上げられ、その先駆性の検証が続けられている。

「宥池会」(旧名「宥の会」、1998年に改称)はそんな松澤の活動を2004年まで物心両面で支援。1950年代始め、長野県岡谷市にて前衛芸術を標榜する団体「RATIの会」の分派として創設された同会は、現在「宥池会-松澤コレクション」として相当数の作品や文書、資料を有し、松澤の仕事を正しく世界に広める方法を模索している。

 松澤とは本当は何者か、その実像に迫る本展。宥池会の協力により、長いあいだ秘められてきた松澤の仕事から主に未公開《作品》を展示する。宥池会コレクションは今後も順次公開予定。