EXHIBITIONS

エコ・ヌグロホ「Nowhere is My Destination」

エコ・ヌグロホ Repeating Destiny 2019

エコ・ヌグロホ "Nowhere is My Destination 2019

 エコ・ヌグロホは1977年、インドネシア・ジョグジャカルタ生まれ。90年代末からキャリアを重ね、インドネシアを代表する現代美術アーティストのひとりとして活動。97年の、アジア金融危機に続くスハルト政権の崩壊とインドネシアの民主主義への移行を経験した「レフォルマシ(改革)」世代でもあるヌグロホは、突然現実的なものとなった表現の自由を享受し、多様な作品を発表しながら、自身の政治社会的な意識が投影された作品を手がけている。

 ヌグロホの作品は、インドネシアの伝統と現代的なポップカルチャーの2つの要素が特徴。伝統的なバティックと刺繍のスタイルを作品に取り入れるいっぽう、現代のストリートアート、グラフィティ、コミックからも強力なインスピレーションを受けている。その表現方法は、ドローイングやペインティングのみならず、壁画、彫刻、アニメーション、タペストリーなど多岐にわたる。

 本展では、昨今の課題である移民と国境の問題をテーマにした平面作品や彫刻、壁画を展示。出品作のひとつ《Nowhere is My Destination》は、移民のコミュニティの化身を表した彫刻作品。仮面で自らの出自を隠し、ナップザックを片手に鎖につながれて立つ像は、故郷を追われた人々を待ち受ける厳しい真実を予感させる。ヌグロホは本展を通じ、戦争や弾圧により故郷を追われた人々のアイデンティティや、移住、国境といった問題に目を向けさせる。

 なお本展は、「瀬戸内国際芸術祭2019」秋会期に伊吹島で発表されるヌグロホの作品と連動して開催。