EXHIBITIONS

椅子の神様 宮本茂紀の仕事

2019.09.05 - 11.23

クッション構造と素材の変遷を伝える椅子サンプル。 製作・所蔵=五反田製作所グループ 撮影=尾鷲陽介

2019年4月にワイス・ワイスから発表された佐藤卓氏デザインのソファ「SPRING」。写真は、開発を担当した宮本茂紀さんがつくった最初の試作品。 製作・所蔵=五反田製作所グループ 撮影=尾鷲陽介

Mychair(身長170cm用)。 デザイン=宮本茂紀、 所蔵・製造元=五反田製作所グループ 撮影=尾鷲陽介

 椅子張り職人として、また日本初の家具モデラーとして、現在も第一線で活躍する宮本茂紀。戦後に椅子張り職人としての道を歩み始め、修復の仕事から海外デザイナーズの家具、乗り物のシートまで幅広く手がけてきた。

 これまで、カッシーナ、B&B、アルフレックス、梅田正徳、藤江和子、隈研吾、アントニオ・チッテリオ、ザハ・ハディドなど、世界的メーカーやデザイナー、建築家たちと協働。「やってみなければ、わからない」と開発に挑み、職人とのあいだをつなぐ製品化を支える家具モデラーとして、デザイナーらの意向をかたちにしてきた。

 本展は、宮本が携わった数多くの仕事を、「モデラーの仕事」「修復や自ら手がける椅子開発を含む椅子張り職人の仕事」「次世代を育てる仕事」の3つをテーマに紹介。今年4月に発表されたばかりの、佐藤卓デザインによるソファ「SPRING」の試作品、同じデザインでありながら一脚一脚の表情が異なる木材の椅子「BOSCO」シリーズなど、名作やオリジナル作品を含む約35点の展示資料とともに、長年の経験と知識、そしてたしかな技術に裏打ちされた仕事に迫る。