EXHIBITIONS

写文家 朝左拉(チョウゾラ)写真展「不要 abandoned」

Gallery Conceal Shibuya
2019.09.30 - 10.06

朝左拉

 写真と文学を合わせた、「写文(しゃもん)」と呼ぶ作品を手がける異色のアーティスト・朝左拉(チョウゾラ)の日本初個展が開催される。

 朝は1963年中国・天津生まれ。西安の第四軍医大学で神経解剖学を学び、12年間、医学分野での学術研究に従事した。現在も医学生物統計学を大学で教えるとともに、企業コンサルタントとして中国国営大手石油、電カメーカーなど多くのプロジェクトに携わる。

 その傍らで、86年より写文家としての活動を開始。顕微鏡で標本を観察するという医学研究での経験を下地に、日常の何気ない光景を独自の目線で切り取った作品を発表している。中国各地で数多くの個展を開催。2017年にはアメリカでの個展も成功させた。また、写真とうつ病との関係に注目し、患者自身の作品を使った写真治療法を実践している。

 今回の個展で朝がテーマとして選んだのは「ゴミ」。1990年代前半より出張などで訪れた化学エ場やその近くの海岸などに無造作に捨てられたゴミを撮影し続け、その数は1万点を超えるという。

 本展ではそのなかから約100点を抽出し、「ゴミとの散歩」「海水より洗浄された靴」「捨てられた花」「廃棄エ場内の少数民族」「ゴミたちの肖像」という5つの構成で、「ゴミと人間の関係」を表現する。