EXHIBITIONS

特別展 流転100年 佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美

佐竹本三十六歌仙絵 小大君 鎌倉時代(13世紀) 大和文華館蔵 重要文化財 展示期間=11月6日~11月24日

佐竹本三十六歌仙絵 大中臣頼基 鎌倉時代(13世紀) 遠山記念館蔵 重要文化財

三十六人家集 重之集 平安時代(12世紀) 京都・本願寺蔵 国宝 通期展示(ただし帖替・頁替あり)

くじ引きの舞台となった応挙館(1983年に東京国立博物館に移設)

 36人の優れた和歌の詠み人「歌仙」を描いた鎌倉時代の名品《佐竹本三十六歌仙絵》が過去最大規模で集う特別展が開催される。

「三十六歌仙」は歌人・藤原公任(ふじわらのきんとう)の『三十六人撰』に選ばれた、36人の優れた歌詠み人のこと。鎌倉時代以降、歌仙の肖像を描く「歌仙絵」が登場し、《佐竹本三十六歌仙絵》は旧秋田藩主・佐竹侯爵家に伝わったことから名前がつけられた。

《佐竹本三十六歌仙絵》は、歌の意味に寄り添って歌仙一人ひとりの表情や姿勢に微妙な変化を加えて描かれており、同時代の歌仙絵や肖像画と比較して、詠んだ人物の心情をも感じさせる点で優れている。かつて2巻の絵巻物として伝わった同作品は、大正8(1919)年に一歌仙ずつ分割され、別々の所有者のもとに秘蔵された。

 本展では、《佐竹本三十六歌仙絵》の分断から100年を機に、離れ離れとなった断簡37件のうち31件を一堂に展示。平安・鎌倉時代の和歌や歌仙に関連する美術品もあわせ、宮廷文化が生んだ華やかな美の世界を紹介する。