EXHIBITIONS

日本・ポーランド国交樹立100周年(1919〜2019年)記念事業

スタシス・エイドリゲヴィチウス:イメージ——記憶の表象

スタシス・エイドリゲヴィチウス My bag 2016

スタシス・エイドリゲヴィチウス 空 1978

スタシス・エイドリゲヴィチウス Ex libris Genutes Eidrigevičiūtes 1976

 ポーランド共和国と日本の国交樹立100周年を記念して、リトアニア出身のアーティスト、スタシス・エイドリゲヴィチウスを紹介する。
 
 スタシスは1949年生まれ。リトアニア・カウナスの応用美術学校で皮革デザインを専攻した後、ヴィリニュス美術アカデミーで絵画やグラフィック・アートを学んだ。在学中の73年、マルボルク国際蔵書票ビエンナーレで優勝。79年には、ブラティスラヴァ国際絵本ビエンナーレで金のりんご賞を受賞した。絵画、版画、挿絵、彫刻、写真、舞台など多方面で制作活動を展開し、ポーランドを代表するアーティストとして国際的に活躍。日本では、主にポスターや絵本作品が取り上げられてきた。

 本展は、スタシスの50年以上におよぶ活動のなかから、細密画、パステル画などの絵画作品をはじめ、日本では展示機会の少なかった最初期の写真作品やエクスリブリス(蔵書票)、また演劇など広範な作品群を集め、幅広い創作を展観。とりわけ、スタシスの「記憶の表象」として描かれた人物像をめぐって、多様な表現メディアに描き出される故郷リトアニアの原風景や、ポーランドで確立した「演じる」「覆う」などのマスクを介した比喩的表現に焦点を当て、作品の根底にある作家のイメージの源泉をたどる。