EXHIBITIONS

二つの部屋、三つのケース

関川航平 強く移動する 2017 パフォーマンス 撮影=市川勝弘 ©︎ スパイラル 株式会社ワコールアートセンター

山中suplex 『山中suplex毎年恒例!BBQ!』活動記録 2019 撮影=前谷開

タカハシ 'タカカーン' セイジ 『芸術と福祉』をレクリエーションから編み直す

 京都芸術センターは、創作のための開かれた施設として2000年にオープン。開館以来、展覧会、パフォーマンスなどアーティストたちが多様な作品を展開している。

 本展では、アーティスト3組が北・南ギャラリーの2つの部屋を同時に使い、それぞれ3つの時間・場を提示。パフォーマンスやインスタレーション、展覧会企画など様々な手法で意味の伝達について考察する関川航平、作家10名が在籍し、インディペンデントな場をつくるシェアスタジオ「山中suplex」、「無職・イン・レジデンス」「『芸術と福祉』をレクリエーションから編み直す」などのプロジェクトを通して、個人の表現欲求や尊厳、人が関係し合うことで発露する連鎖的な創作性を見るタカハシ 'タカカーン' セイジの3組を迎える。

 関川による部屋「散歩られ」では、「散歩する」経験をもとに紡いだ言葉ともので展示を構成。山中suplexは、ギャラリー南・北を「倉庫」と「工房」に使い分けて滋賀県大津市のスタジオを再現するとともに、展示・罠・整理整頓をテーマとしたワークショップを行う。タカハシは、鑑賞者や監視スタッフらと時間を共有し、ただ存在すること(=すごす)ことを実践。この試みを一種のレクリエーションとしてとらえ、「やってみたかったことをやってみるための時間」や「試演会議」のセクションを設けて、「すごす」経験を伝える難しさを体験する場をつくる。