EXHIBITIONS

「クリエイションの未来展」第12回 隈研吾監修

高知県梼原町の和紙職人 ロギール・アウテンボーガルト× 建築家 隈研吾

2017.07.06 - 09.26

和蘭紙(わらんし)

和蘭紙(わらんし)

 高知県梼原町は町面積の91%を森林が占め、標高1485mの雄大な四国カルストに抱かれた自然豊かな山間の小さな町。高知県梼原町と隈研吾氏の関わりは30年以上前にさかのぼり、隈氏初めての木造建築として「雲の上のホテル」を設計したことから始まる。その後「梼原町総合庁舎」、「まちの駅『ゆすはら』」などを設計し、その内装にロギール・アウテンボーガルトが制作した和紙が使用された。

 アウテンボーガルトはオランダに生まれ、グラフィック・スクールを卒業後、日本の伝統工芸である紙漉き和紙に魅かれて来日。各地の手漉き和紙工房を見学した後に当地に工房を定め、現在まで25年に渡り土佐和紙を手がけている。

 本展では、アウテンボーガルト氏の制作する和紙を使い、隈氏がインスタレーションを行う。複数種類の土佐和紙を繋いでギャラリー全体を覆い洞窟のような空間を生み出し、職人の技術を駆使した柔らかくも力強い素材の奥深さを体験することができる。また、アウテンボーガルトのオブジェ作品や土佐和紙の紙見本、紙漉き道具や楮、三椏、雁皮などの植物素材も展示される。