EXHIBITIONS

きくちちき絵本展 しろとくろ

きくちちき 『しろとくろ』 講談社 2019  ©︎ Chiki Kikuchi ※禁転載

きくちちき 『くろ』 武蔵野市立吉祥寺美術館 2019  ©︎ Chiki Kikuchi ※禁転載

きくちちき 『ゆき』(ほるぷ出版、2015) ©︎ Chiki Kikuchi ※禁転載

きくちちき 『もみじのてがみ』 小峰書店 2018  ©︎ Chiki Kikuchi ※禁転載

 きくちちき(菊地知己)は1975年北海道生まれの絵本作家。大学で建築を、美術専門学校でデザインを学び、デザインの仕事に携わる。33歳のとき絵本作家を転身。個展で発表していた手製本の絵本が評判となって、2012年に『しろねこくろねこ』(学研プラス)、『やまねこのおはなし』(作=どいかや、イースト・プレス)でデビュー。その翌年、『しろねこくろねこ』が世界最大規模の絵本原画コンクール「ブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)」で「金のりんご賞」を受賞し、気鋭の絵本作家として注目されている。

 きくちが大切にしてきたのは「絵本をつくりたいという純粋な気持ち」。息子を持つ自身の実体験に基づき、その成長を動物や自然の摂理になぞらえた作品も多い。デビュー後の墨を用いた流麗な線描と余白を生かした作風から一転、多様な色が画面を彩るなど表現を変えながら、何冊もの美しい絵本を生み出している。

 本展では、代表作の絵本原画や、デビュー前に自費出版していた手製本の原画のほか、今回のために制作された大型のバナー作品や立体作品を含む約200点を展示。きくちのみずみずしい感性と力強い線描が息づく絵本の世界を楽しみたい。