EXHIBITIONS

インプリントまちだ展2019

田中彰 町田芹ヶ谷えごのき縁起

田中彰 町田芹ヶ谷えごのき縁起 2019 作家蔵

田中彰 きのおくのきおく 2019 作家蔵

展示風景

エゴノキを掘り起こす様子(2018年12月)

新作の制作風景

特設スタジオ

特設スタジオにて《町田芹ヶ谷えごのき縁起絵巻》の制作の様子

 若手アーティストを招聘し、町田市に取材した制作・作品を発表する展覧会シリーズ「インプリントまちだ」。第3弾では、自然と人の関わりを木版画で表現する田中彰を迎える。

 田中は1988年岐阜県生まれ。2013年武蔵野美術大学油絵学科版画専攻卒業。15年同大学大学院版画コース修了。現在は茨城県を拠点に活動している。

 田中は町田市での制作において、「木と人が築いてきた関係性」に注目。町田市立国際版画美術館が位置する芹ヶ谷公園の再整備で伐採予定だった「エゴノキ」を、作家とその活動に共鳴する様々な専門家の力を借りて根から丁寧に掘り起こした。そして、子供たちが木登りを楽しんだエゴノキから切り出した版木に、町田での取材から得たイメージを刻んだ。

 本展では、1本の木が積み重ねた年月と、人と木との縁を新たに結んだ新作《きのおくのきおく》を旧作とともに展示。印刷の歴史を追体験して生まれた作品や、作家が生産地から私たちのもとへと「旅する」樹木としてのコーヒーへの関心から世界を巡って制作した作品など約150点が一堂に会す。

 また、館内のエントランスホール内の特設スタジオでは、会期を通じて滞在制作する《町田芹ヶ谷えごのき縁起絵巻》や木版画ポスターを参加者とともにつくり上げる。