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千葉和成「ダンテ『神曲』現代解釈集」

千葉和成 地獄篇最終章 2015〜16 © CHIBA Kazumasa Courtesy of Mizuma Art Gallery

 千葉和成(ちば・かずまさ) は1967年神奈川生まれ、東京造形大学彫刻科を卒業。福島第一原発の事故を描いた《ダンテ『神曲』現代解釈集》(2000〜)で、第15回岡本太郎現代芸術賞・敏子賞(2012)を受賞。以降、ほとんど作品発表を行うことなく、およそ20年間にわたって神奈川を拠点に《ダンテ『神曲』現代解釈集》の制作を続けている。
 
《ダンテ『神曲』現代解釈集》は、千葉がテレビや新聞、インターネットなどで調べた事件、事故、またそこから考えられる現代の人間の愚かさ、政治的な不義、総じて人間中心主義がまかり通る社会に対する不満から立ち上がってくる精神世界をイタリア文学の最大の古典『神曲』の場を借りて表現した作品。千葉はライフワークと称して同作品の制作を続けることは、「現代に生きる人間の内面世界を探る旅でもあり、葛藤や迷いなどを抱え込んだ自分自身の心を解放していく行為である」と話している。

 本展は、《ダンテ『神曲』現代解釈集》の地獄篇・煉獄編・天国編が一堂に会す迫力のある展示となる。