EXHIBITIONS

椿会展2017-初心-

2017.04.04 - 05.28

「椿会展2017-初心-」展より 撮影=畠山直哉

「椿会展2017-初心-」展より 撮影=畠山直哉

「椿会展2017-初心-」展より 撮影=畠山直哉

 戦後間もない1947年に、戦時中一時閉鎖されていた資生堂ギャラリーの活動を再開するにあたり企画されたグループ展「椿会」は、時代とともにメンバー構成を変えながら今日まで継続し、今年70周年を迎える。本展は、2013年から毎年春に展覧会を開催してきた「第七次椿会」メンバーによる5回目で最後の展覧会となる。

 第七次椿会は、2013年に赤瀬川原平、畠山直哉、内藤礼、伊藤存、青木陵子の5名で結成され、展覧会では毎回、新作、もしくは未発表の作品を展示してきた。15年には前年の赤瀬川原平の逝去にともない、新たなメンバーとして島地保武(ダンサー・振付家)が加わり、椿会で初となるパフォーミング・アーツの分野からの参加で、新たな風を吹き込んだ。

 本展では赤瀬川の作品から、60年代の梱包作品、50年代の自画像。畠山は、60~70年代に建設されたイギリスのニュータウン、テムズミードを撮影したシリーズに、当時の不動産広告のテキストを組み合わせた作品と、2017年1月に撮影した赤瀬川原平のアトリエの写真。内藤は2013年の初回から同じテーマにじっくり取り組み、少しずつ変化していく《color beginning》、《ひと》、水を満たした瓶に花を生けた《無題》などの作品。伊藤はこれまで刺繍、ドローイング、アニメーションの手法でイメージの拡散と連鎖を試みてきたが、今回は、新たな方法で制作する刺繍作品と粘土絵を発表。青木は「絵を描く」ことを再考察して実験的に取り組んだ新作ドローイングを展示するほか、ワークショップを行いzine(冊子)をつくる。そして島地は振付作品を創作し、酒井はなとのユニット、altneu(アルトノイ)で発表。また、ギャラリーでは新たな造形作品を展示するとともに展示会場でのダンスも披露する。