EXHIBITIONS

神田日勝 大地への筆触

神田日勝 死馬 1965 北海道立近代美術館蔵

神田日勝 室内風景 1970 北海道立近代美術館蔵

神田日勝 飯場の風景 1963 神田日勝記念美術館蔵

神田日勝 馬(絶筆・未完) 1970 神田日勝記念美術館蔵

神田日勝 人と牛A 1968 北海道新聞社蔵(神田日勝記念美術館寄託)

神田日勝 壁と顔 1968 北海道立近代美術館蔵

 北海道・十勝の大地で農業を営みながら絵画の制作を続けた神田日勝。NHK連続テレビ小説『なつぞら』に登場する山田天陽のモチーフともなった画家で、馬や労働者を力強いリアリズムで描いた作品で知られるいっぽう、同時代の美術にも敏感に反応し、多くの新しい試みを行った。

 日勝は1937年東京都生まれ。45年8月、空襲に見舞われ、神田一家揃って拓北農兵隊(戦災者集団帰農計画)に参加。開拓が困難を極め、大半が脱落するなかで苦労して鹿追町に定着した。

 東京藝術大学に進学した兄の影響で油彩を描き始めた日勝は、56年に帯広市で開かれた平原社美術協会展で入選。農業を続けながら画家の道を歩み始め、厳しい道ながら、全道美術協会展、東京の独立美術協会展と活躍の場を広げた。その後、高度成長期の社会状況を洞察し、人間の孤独や苦悩を描いた代表作《室内風景》を制作。新たな境地に踏み出そうとしていた矢先の70年、32歳の若さで亡くなった。

 日勝の没後50年を記念する本展は、最新の研究成果を交えながら、初期作から後期の前衛的な作品まで画業の全貌を紹介。東京では40年ぶりの本格的な回顧展となる。