EXHIBITIONS

泉茂「Drawings 1960's」

泉茂 Yoshimi Arts 出品作品 1969頃

泉茂 Yoshimi Arts 出品作品 1969頃

泉茂 the three konohana 出品作品 1966頃

 Yoshimi Artsとthe three konohanaの共同企画により、両スペースで画家・版画家、泉茂の展覧会が開催される。

 泉は1922年⼤阪市生まれ。瑛九や早川良雄らとともに「デモクラート美術家協会」を結成し、50年代に国内での版画家としての評価を確立。その後、ニューヨークとパリへ活動の場を移した泉は1959年からの10年間、自らの作風を大きく転換する時期を迎えた。ニューヨークでは、抽象表現主義からポップアートへの移り変わり、パリではアンフォルメルの動向に触れ、以後、描くことの本質を見つめ直す作品を発表し続けた。

 Yoshimi Artsとthe three konohanaは2017年、泉の作家活動の再考・再評価へ向けての継続的な取り組みとして、70年代から晩年までの絵画作品を紹介。これに続く今回は、60年代のパリ滞在中から帰国直後にかけて制作されたドローイング約20点を公開する。

 2会場で出品されるドローイングは、「青のシリーズ」と「ストロークのシリーズ」のために描かれ、絵画作品の制作過程という位置づけであることから、作家の生前も発表されていなかったもの。泉の表現の重要な転換期にあるドローイングを通じて、作家がリアルな筆致をいかに解体し、新たな画面に再構成することに専心していたか、その変遷を見ることできる貴重な機会となるだろう。