EXHIBITIONS

ローザ・バルバ展

展示風景

 ローザ・バルバはイタリア生まれ、ドイツ・ベルリンを拠点に活動するアーティスト。ロンドンのテート・ギャラリーやニューヨーク近代美術館など世界各地の美術館やアートセンターでの作品発表、ヴェネチア・ビエンナーレなどの国際美術展や映画祭などにも出品し、日本では今年の瀬戸内芸術祭に参加している。

 これまで、映像作品や彫刻的なオブジェ、インスタレーションやパフォーマンスなど様々な手法を用いて表現を展開。映像作品においては、自然災害や疎外感、生き残る意味についてなど、自然と人間のあいだにある複雑な関係をテーマに制作を行っている。

 バルバの日本初個展となる本展は、映画的な彫刻と映像作品3点を展示。映像作品のひとつ《地球の中心から外へ》(2007)は、消滅の危機にさらされた島を舞台に、「それぞれが生き残り、社会を存続させるために住民が一致団結して行動を起こさなければならない」という筋書きで、人々が苦悩する姿や弱さを露呈をしていく映像になっている。

 いっぽう《Enigmatic Whisper :不思議なささやき》(2017)は、20世紀を生きた芸術家、アレキサンダー・カルダーに焦点を当てた作品。また、三次元の作品《Footnote」(2013 / 2019)や16ミリフィルムを使った《Color Studies》(2013)などの作品では、空間におけるオブジェの中で、映画的な表現を追求するバルバの試みを見ることができる。