EXHIBITIONS

佐藤雅晴「I touch Dream」

KEN NAKAHASHI|07.11 - 07.26

© Masaharu Sato I touch Dream #1 Single Channel Monochrome Video With Sound, 3 Minutes 34 Seconds
Technical Assistant: Ray Sato Meibergen, Model: Kenichi Shimojo, Courtesy of KEN NAKAHASHI

© Masaharu Sato I touch Dream #1 Single Channel Monochrome Video With Sound, 3 Minutes 34 Seconds
Technical Assistant: Ray Sato Meibergen, Model: Kenichi Shimojo, Courtesy of KEN NAKAHASHI

© Masaharu Sato I touch Dream #1 Single Channel Monochrome Video With Sound, 3 Minutes 34 Seconds
Technical Assistant: Ray Sato Meibergen, Model: Kenichi Shimojo, Courtesy of KEN NAKAHASHI

© Masaharu Sato I touch Dream #1 Single Channel Monochrome Video With Sound, 3 Minutes 34 Seconds
Technical Assistant: Ray Sato Meibergen, Model: Kenichi Shimojo, Courtesy of KEN NAKAHASHI

© Masaharu Sato I touch Dream #1 Single Channel Monochrome Video With Sound, 3 Minutes 34 Seconds
Technical Assistant: Ray Sato Meibergen, Model: Kenichi Shimojo, Courtesy of KEN NAKAHASHI

 2019年3月に逝去したアーティストの佐藤雅晴。ビデオカメラで撮影した日常の風景を、パソコン上でペンツールを用いてなぞるようにトレースし、アニメーション化するロトスコープと呼ばれる表現を用いた作品を手がけ、2009年は第12回岡本太郎現代芸術賞特別賞受賞、11年には第15回文化庁メディア芸術祭審査委員会の推薦作品に選ばれた。さらに16年、原美術館で個展「ハラドキュメンツ10 佐藤雅晴ー東京尾行」が国内外から大きな注目を集めた。

 19年には森美術館での「六本木クロッシング2019展:つないでみる」、トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)での「ACT」シリーズ第1弾「霞はじめてたなびく」、そしてKEN NAKAHASHIでの個展「死神先生」を並行して開催。8年以上闘病を続けている癌の担当医から余命3ヶ月を宣告された2018年9月以降、病状の進行に伴う視力の低下などにより映像作品の制作が困難になりながらも、その手を休めることなく、KEN NAKAHASHIでの個展に向けて、アクリル絵具によるペインティング作品の制作に精力的に取り組んだ。3会場で展覧会が開催されているさなか、45歳の若さでこの世を去った。

 本展では追悼の意を込めて、佐藤が東京藝術大学修士課程を修了し、渡独後の最初に制作した映像作品「I touch Dream #1」(1999)を初公開する。同シリーズは、ドイツでの孤独な生活を過ごすなかで見ていた悪夢を木炭でデッサンし、1枚ずつ(ワンカットずつ)撮影して、動画に起こしたもの。このとき佐藤は、1枚の画に夢の断片を集約するのではなく、一つひとつの画を連続させることで、曖昧な夢のイメージをヴィジュアル化する方法「アニメーション」と出会うことができた。

 夢の断片を執拗にトレースして写生を繰り返し、それを連続させた映像を日常にスライドさせることによって、私達が存在する現実世界と夢の世界という相対的な2つの世界の狭間に潜む「気配」を、表面化しようと試みた《I touch Dream #1》は、ロトスコープの技法を使った佐藤の代表作《ダテマキ》《Calling》《東京尾行》へとつながる。