EXHIBITIONS

藤幡正樹「E.Q.」

2019.07.06 - 08.31

©︎ Masaki Fujihata

 東京画廊+BTAPは1968年、視覚をテーマにした2つの展覧会「トリックスアンドビジョン盗まれた眼」とCTG(コンピュータ・テクニック・グループ)による「コンピュータ・アート展:電子によるメディア変換」を開催。それから約半世紀、日本のメディア・アートのパイオニアである藤幡正樹を迎え、「視ること」と「イメージの関係」を改めて問い直す。

 藤幡は1956年生まれ。96年、アルス・エレクトロニカで日本人初のゴールデン・ニカ賞を受賞。80年代のコンピュータ・グラフィックス作品《Mandala1983》などで広く知られるようになり、先駆的なメディア・アート作品を発表。デジタル空間と現実空間の往復と接続に着目しながら、近年ではAR(拡張現実感技術)を用いた自身のアーカイブ『anarchive °6』(2016)をパリで出版したほか、18年には、50〜70年代の香港に焦点を当て、ARによって過去が現在に並列化されるパブリックアート・プロジェクト《BeHere》を制作した。

 本展では、視覚をテーマに先鋭的な表現を追求してきた藤幡ならではのインタラクティブな作品を展示。技術領野で歪んだ状態をフラットな状態に戻す「Equalize」の略語「E.Q.」をタイトルにつけた出展作品は、高解像度カメラによって鑑賞者の動きをリアルタイムに取り込んだイメージをコンピュータで座標変換し、プロジェクターで投影する。そこに映し出される鑑賞者の身体イメージは、物理的な鏡とは異なり、定着せずメディア上でつねに移ろい続ける。

「メディアによって歪められたイメージはイコライズ可能か」が、本展のテーマとなる。

 機材協力:キヤノンマーケティングジャパン株式会社
 Projection Equipment Supported by Canon Marketing Japan Inc.