EXHIBITIONS
渡辺佑基「ねじれの回廊」
現在、武蔵野美術大学大学院に在籍中の画家・渡辺佑基が、初の本格的な個展を開催する。
一貫して日用品や玩具、人体の一部といった身近なモチーフを絵画上で再構成することに取り組んできた渡辺。制作のなかで、様々な物体はその表面の質感を注視し、写実的に描写。しかし同時に、モチーフの形状に合わせたシェイプド・キャンバスを用いるなど、絵画上でしか成立しない位相をつくり出している。
階段を昇る裸婦を描いた作品《階段を昇る裸婦》(2018)の上辺は、人体というモチーフを外部からトリミングし、「窓枠」としての機能を付与。いっぽうで、シェイプド加工を施した下辺は足の裏が接触する「地面」として機能させ、モチーフと次元を共有した。
渡辺作品におけるキーワードのひとつは、絵画のフレームに発生するこのような種々の「ねじれ」への関心にある。そして、現実の感触を想起させつつ、平面でも立体でもない亜空間へ鑑賞者の感覚を接続させることを根源的なテーマとしている。
本展では、最新作品群を中心に、渡辺の丹念な絵画世界を紹介。作家が配置していくフレームは絵画空間を保持する外殻であると同時に、見る者の意識の枠組みを相対化する流動的な装置となるだろう。
一貫して日用品や玩具、人体の一部といった身近なモチーフを絵画上で再構成することに取り組んできた渡辺。制作のなかで、様々な物体はその表面の質感を注視し、写実的に描写。しかし同時に、モチーフの形状に合わせたシェイプド・キャンバスを用いるなど、絵画上でしか成立しない位相をつくり出している。
階段を昇る裸婦を描いた作品《階段を昇る裸婦》(2018)の上辺は、人体というモチーフを外部からトリミングし、「窓枠」としての機能を付与。いっぽうで、シェイプド加工を施した下辺は足の裏が接触する「地面」として機能させ、モチーフと次元を共有した。
渡辺作品におけるキーワードのひとつは、絵画のフレームに発生するこのような種々の「ねじれ」への関心にある。そして、現実の感触を想起させつつ、平面でも立体でもない亜空間へ鑑賞者の感覚を接続させることを根源的なテーマとしている。
本展では、最新作品群を中心に、渡辺の丹念な絵画世界を紹介。作家が配置していくフレームは絵画空間を保持する外殻であると同時に、見る者の意識の枠組みを相対化する流動的な装置となるだろう。




