シェルテンス&アベネス「ZEEN」

　アムステルダム出身のアーティストデュオ、シェルテンス＆アベネスの作品集が刊行を記念した展覧会で開催されている。

　シェルテンス＆アベネスは、モーリス・シェルテンスとリースベス・アベネスによるアーティストデュオ。2001年から活動を始め、スティル・ライフ（静物）を被写体としたコンセプチュアルな写真作品を発表。メゾン・マルジェラ、COS、エルメスなどの名だたるブランドとのコミッションワークや、マクガフィン、ニューヨークタイムズマガジンなどとのエディトリアルも手がけている。2012年には、ニューヨーク国際写真センターが主宰するインフィニティ賞を受賞した。

　2人は、ゴミや段ボール箱など社会的には無価値なものを写真に収めることでオブジェに変身させた代表作「Hidden Object」シリーズのように、三次元空間の現象を記録し、最終的に平面的なものである写真で表現。作品同士は一貫した審美性を備え、互いに融合し合う可能性を携えている。

　今回刊行された作品集『ZEEN』は、2人の作品の特性に着目し、各作品が最初に発表された出版物を複製して収録。それぞれのイメージがどのように影響を及ぼし合うのかその文脈を解明し、解釈の形成にどう役立つのかという点を見る人に気づかせるつくりとなっている。本展では、東京での展覧会を記念し、同作品集のスペシャルエディションを展示・販売する。