EXHIBITIONS

アルフレド&イザベル・アキリザン:Home / Return 2019

アルフレド&イザベル・アキリザン Assemblage11 2019

ミゲル・アキリザン Hybrid N°2 2019

 アルフレド&イザベル・アキリザンはフィリピン出身のアーティストデュオ。シンプルなコンセプトでありながら、グローバル化した現代において日常的で馴染み深い作品を手がけ、世界的に活躍している。

 フィリピン生まれの2人は2006年頃にオーストラリアに移住。アキリザンの作品の多くは、住み慣れた文化圏を離れ、文化の異なる土地へ移住した経験から発生しており、移動や移住を象徴する素材のひとつとして、作品制作においてダンボールを好んで用いている。都市的なランドスケープや船、飛行機など多岐にわたるモチーフをもとに段ボール箱を組み合わせたインスタレーションは、とくに美術館などの大きな空間で展開されると集積が織り成すリズム感が強調され、ダイナミックで大迫力である。近年は金沢21世紀美術館に船の作品《積む: プロジェクト もうひとつの国》(2014)が収蔵されるなど、日本でもその知名度を上げつつある。

 本展では、2015年に東京都現代美術館で披露したインスタレーション作品に自ら手を加え、コレクション可能なサイズの新作として日本で発表。日本での展示後、作家とともに台湾、フィリピンを旅した作品は、土地や人々の記憶、生活を新たな文脈として背負い、再び日本に帰還する。

 あわせて、アキリザンの息子である、ミゲル・アキリザンの展覧会を同時開催。日本から海外に流れ着いた文化の破片を収集し、漂着までの長い時間を蓄積した不思議な雰囲気を放つ、ミゲルの代表的な作品約30点を日本で初めて紹介する。