EXHIBITIONS

館勝生 1997-2006

2019.05.22 - 06.09

館勝生 july.23.2006 2006

 2009年に逝去した三重県出身の画家・館勝生の制作の変遷を紹介する展覧会が開催されている。

 館は1964年生まれ、87年に大阪芸術大学芸術学部美術科卒業。90年代初めは、実家が営む養蜂場での体験を着想源とした虫とわかるような有機的な存在をモチーフに抽象絵画を制作。その後、90年代中頃の作品では虫のようなモチーフを解体して宇宙的な空間を表現した。2000年以降の作品では、大幅な余白のある画面に、激しい生命観を持ったような抽象化された有機体を描き込んだ。07年になると有機体の存在感が大きくなると同時に、余白に絵具を塗らず、時間が流れているようにも、止まっているようにも感じられる空間へと展開した。

 晩年にあたる2008年まで描き続け、短い画業のなかで様々な変化を見せた館。本展では、三重県立美術館で開催された個展(2001)で出品した90年代後半の大作2点と、転換期となる2000年代前半の作品2点、そして晩年への入口となる作品1点によって構成される。