EXHIBITIONS

阪本トクロウ「カルペ ディエム」

2019.06.15 - 07.13

阪本トクロウ 水面 2018 © Tokuro Sakamoto

阪本トクロウ 水面 2019 © Tokuro Sakamoto

阪本トクロウ 呼吸 2019 © Tokuro Sakamoto

 阪本トクロウは1975年山梨県生まれの画家。現代の日本的なモチーフを描くのに適した画材としてアクリル絵具選び、独自の絵画世界を切り開いてきた。

 阪本は初期より、日常で目にした自然の風景や人工的な構造物のなかに、繰り返されるリズムや反復、重なりや中空の美を見出し、単純化し、画面に再構成して作品を制作。具象絵画でありながら、作中に浮かび上がるモチーフは極めて抽象的だ。

「いかに細密に描くかよりも、単純に描くことで絵画の純粋さが際立つ」と作家自らが語るように、ミニマルに抽出したモチーフを普遍的なものとして提示した作品は、見る人の記憶のなかにある風景と交差するように、既視感をもって迫る。

 本展では、静かな風景を水平方向や斜めに切り取り、ミステリアスな要素を加えた新たな試みを発表。本展タイトルの「カルペディエム」は「死を思い大切に今を生きよ」を意味するラテン語からとったもので、禅語「日々是好日」や老子の「上善如水」という言葉からインスピレーションを受けている。