EXHIBITIONS

没後60年 北大路魯山人

古典復興 ―現代陶芸をひらく―

2019.07.02 - 08.25

北大路魯山人 色絵染付鮑形鉢 1935-44年(昭和10年代) 世田谷美術館(塩田コレクション)

北大路魯山人 染付葡萄文鉢 1941(昭和16)年 世田谷美術館(塩田コレクション)

北大路魯山人 萌葱金襴手鳳凰文煎茶碗 1939(昭和14)年 中野邸記念館

北大路魯山人 織部間道文俎鉢 1953(昭和28)年頃 八勝館蔵

北大路魯山人 日月椀 1937(昭和12)年 世田谷美術館(塩田コレクション)

北大路魯山人 横行君子平向 1957(昭和32)年 八勝館蔵

荒川豊蔵 志野筍絵茶碗 銘「随縁」 1961(昭和36)年 荒川豊蔵資料館蔵

川喜田半泥子 粉引茶碗 銘「たつた川」 1945-54(昭和20年代)年 石水博物館蔵

 書や篆刻の分野で活動し、30代の終わりから生来の食に対する関心から「料理の着物」としての作陶に入った北大路魯山人。たんなる食器づくりを超え、中世以来日本文化の核となっていた茶道を基軸とする日本の伝統に触れることで、魯山人は一挙に陶芸の古典復興を代表する存在となった。

 かつて中国大陸や朝鮮半島からもたらされ、長い年月をかけて日本で大成した素朴なやきものや鮮やかな色絵までを、魯山人は様々な美を掬い上げ、絶えず同時代の陶芸家たちに影響を与えた。その生涯にわたって手がけたやきものは膨大な点数にのぼる。

 本展では、魯山人ゆかりの名料亭として知られる八勝館と、世田谷美術館の塩田コレクションを中心に展示。また、川喜田半泥子や石黒宗麿、荒川豊蔵、八木一夫などの作品、同時代の陶芸家たちが学んだ中国、朝鮮、日本の古陶磁もあわせて紹介し、現代陶芸の礎となった昭和陶芸の豊穣な成果とその源流から陶芸の未来を展望する。