EXHIBITIONS

アドルフ・ヴェルフリ

二萬五千頁の王国

アドルフ・ヴェルフリ 小鳥=揺りかご.田舎の=警察官.聖アドルフⅡ世., 1866年, 不幸な災=難 1916 ベルン美術館 アドルフ・ヴェルフリ財団蔵 © Adolf Wölfli Foundation, Museum of Fine Arts Bern

アドルフ・ヴェルフリ 小鳥=揺りかご.田舎の=警察官.聖アドルフⅡ世., 1866年, 不幸な災=難 1916 ベルン美術館 アドルフ・ヴェルフリ財団蔵 © Adolf Wölfli Foundation, Museum of Fine Arts Bern

アドルフ・ヴェルフリ 氷湖の=ハル〔響き〕.巨大=都市 1911 ベルン美術館 アドルフ・ヴェルフリ財団蔵 ©Adolf Wölfli Foundation, Museum of Fine Arts Bern

アドルフ・ヴェルフリ ネゲルハル〔黒人の響き〕 1911 ベルン美術館 アドルフ・ヴェルフリ財団蔵 ©Adolf Wölfli Foundation, Museum of Fine Arts Bern

 アウトサイダー・アート、アール・ブリュットの芸術家として世界的に高く評価されるアドルフ・ヴェルフリの、日本における初めての大規模な個展が開催される。

 スイスのベルン近郊に生まれ、孤独で貧しい幼少期を送ったヴェルフリが絵を描き始めたのは罪を犯し、精神科病院に収容された数年後、35歳のときだった。病室で一心不乱に描き続け、生涯に描いた絵の数は2万5000ページ。余白を残さず、絵と文字と音符で埋め尽くされた作品はいずれも、既存の芸術や美術教育の影響を受けることなく生み出された表現力と、奇想天外な物語性、そして音楽への情熱にあふれている。

 自身の不幸な生い立ちを冒険記へと変容させ、理想の王国を築いて世界征服をたくらみ、音楽監督として作曲に没頭したヴェルフリ。彼が描いたのは空想の世界の出来事ではなく、すべて真実と疑わない自らの姿を投影したものだった。

 ヴェルフリの初期から晩年までの74点を厳選した本展は、アール・ブリュットの源流をたどる待望の機会となる。