ヘブル・ブラントリー「Great Debate」

　ナイキ、アディダス、ウブロなどの著名ブランド、日本ではファッションブランド・BAPEとのコラボレーションでも知られるヘブル・ブラントリーの日本初個展が開催される。

　ブラントリーはクラーク・アトランタ大学で映画の学士号を取得。デザインとメディアイラストレーションのバックグラウンドを持ち、1960〜70年代にかけてシカゴ南部でアフリカ系アメリカ人が起こした「アフロ・コブラ・ムーブメント」に大いに影響を受けた。以来、アフリカにルーツを持つ自身の疑問を追究するため、壁画やグラフィティなど一連の作品に取り組んでいる。

　画材は油、アクリル、水彩絵具やスプレー塗料から、コーヒー、紅茶など伝統にしばられず幅広く使用。コンセプチュアルなキャラクターを通して、郷愁、精神、力や希望など複雑な人間の内面を表現した作品は、正義と悪、中心と周辺にあるものが混在しながら、鮮やかな配色やポップ・アート的なモチーフが親近感を与える。また、近い将来起こりうることを日常のごくあたり前のこととして描く作風からは、日本のマンガやポップカルチャーの影響が見てとれる。

　本展では、新作計12点を展示。テクノロジーがますます飛躍する現代において、ブラントリーの作品は日々の進化を改めて鑑賞者に意識させるものとなるだろう。