EXHIBITIONS

巨匠が愛した美の世界

川端康成・東山魁夷コレクション展

岩手県立美術館|07.01 - 08.20

東山魁夷 北山初雪 1968 公益財団法人川端康成記念会蔵

 川端康成(1899-1972)は、日本で初めてノーベル文学賞を受賞した小説家であり、独自の審美眼で、幅広い時代の美術品を収集した。浦上玉堂の代表作《凍雲篩雪図》(とううんしせつず)(国宝)や、池大雅《十便図》(国宝)と与謝蕪村《十宜図》(国宝)などの江戸美術の名品、また昭和初期に交流のあった油彩画家の古賀春江、川端が才能を見いだした若き前衛芸術家の草間彌生、そして木工作家の黒田辰秋など、絵画と工芸に通じた視野の広さを感じることができる。

 なかでも、日本画家である東山魁夷(1908-1999)とは、川端が東山の画集にしばしば序文を寄せ、東山は川端作品の挿絵や装丁を手掛けるなど深い交流あった。《北山初雪》は、ノーベル賞受賞記念に東山が川端に贈った作品だ。

 東山も川端と同様に、東西の古美術から近現代美術に至る作品を収集。こうした美術品を通じて二人は対話し、美についての思索を深めて刺激しあった。本展では、川端と東山のそれぞれの収集品を紹介し、二人の巨匠が心から愛した美の世界に迫る。

 なお、本展では川端文学の最高傑作の一つである『伊豆の踊子』を生み出すきっかけとなった川端の恋愛と破局について、コーナーを設けて紹介する。そして、平成28年末に川端邸で新たに確認された90点余りの資料のなかから、芥川龍之介や永井荷風の書簡、夏目漱石をはじめとする文豪たちの書など、川端の眼を通したもう一つの文学史ともいえる作品の数々を公開。これらの新資料は、全国に先駆けて、岩手県立美術館で初公開となる。