EXHIBITIONS

三宅砂織「庭園 | POTSDAM」

SPACE TGC
2019.05.18 - 05.26

三宅砂織 Garden(Potsdam) 2019

 既存の写真を自らの手で陰陽反射して描き写し、再び印画紙上に現存するフォトグラム作品を制作してきた三宅砂織。膨大な量のイメージが氾濫する現代で、「イメージを見る」ことを重視する姿勢は、時代を超えて人々に内在する「絵画的な像」に、ある種の救いを見出そうとする作家の思案が反映されている。

 三宅は2年前から、戦前のドイツで開催されたベルリン・オリンピックへの出場経験がある体操選手の、私的なコレクションをモチーフとした「The Missing Shade」シリーズを発表。2018年の「20st DOMANI・明日展」(国立新美術館)では、オリンピック出場から教育者として過ごした晩年まで、この体操選手の半生を俯瞰した。

 本展では、五輪出場の際にポツダムを訪れた同氏のアルバムページを取り上げた「The Missing Shade」シリーズの新作と、同作のフィールドワークで制作された映像作品《Garden(Potsdam)》を中心に構成。ポツダムにまつわる、ある個人の追想を起点に、「個」と「時代精神」の層から「絵画的な像」を抽出することを試みる。

協力:WAITINGROOM