ピウス・フォックス「Der Trommler」

　色のブロックと交差する直線からなる抽象絵画を描くドイツのアーティスト、ピウス・フォックスの日本初個展が開催される。

　フォックスは1983年ベルリン生まれ、UdK（University of the Arts）を卒業。2010年にはフランク・バドゥール教授のもとで学士号を、またゲルハルト・リヒターに師事し、現在世界的に活躍しているスイスの画家、ピア・フライズのもとで修士課程を修了した。これまでニューヨーク、ベルリン、ロンドン、パリなど世界主要都市での個展開催、グループ展に参加。作品は、SØR Ruscheコレクション、フランスの フラック・オーヴェルニュ美術館、Sander Darmstadtコレクションなどに収蔵されている。

　フェルメールや、フランチェスカ、ルネサンスの巨匠などを参照し、自身の抽象絵画を確立したフォックス。その作品は建築・空間的要素を垣間見せながら、ときには何層もの色レイヤーを引っ掻き削るプロセスを経て、下層部の色とのコントラストと表面の質感が、鑑賞者に深い視覚的効果をもたらす。

　本展では、グリム童話の『太鼓たたき』からインスピレーションを受けた最新作から近作品を中心に、約30点の中小型ペインティング作品を発表する。