EXHIBITIONS

巨星・松本清張

神奈川近代文学館
2019.03.16 - 05.12

松本清張 撮影=飯田隆夫

朝倉摂画『砂の器』挿絵原画 『読売新聞』夕刊 1960年5月17日~1961年4月20日に連載 神奈川近代文学館蔵

自画像 北九州市立松本清張記念館蔵

遺品の万年筆とインクボトル 北九州市立松本清張記念館蔵

 戦後日本を代表する作家のひとり・松本清張。出身地・北九州市小倉で前半生を過ごした松本は、朝日新聞西部本社の広告部に勤める傍ら、41歳で懸賞小説に応募した『西鄕札』が入選。その翌年の51年に同作が直木賞候補に選ばれ、作家人生をスタートさせた。

 53年に、『或る「小倉日記」伝』で芥川賞を受賞。58年には、社会派推理小説の先駆けとなった『点と線』『眼の壁』が大ベストセラーとなり、「清張ブーム」を巻き起こすほどの人気作家となった。以来、後半生にあたる約40年間で、多岐にわたるジャンルで精力的に筆を執り続け、『ゼロの焦点』『砂の器』、時代小説『かげろう絵図』、ノンフィクション『日本の黒い霧』『昭和史発掘』、また古代史論考も発表し、1000編にもおよぶ作品を生み出した。
 
 つねに庶民の目線から、個人の人生を翻弄する社会問題、そして時代の闇に切り込み、読者の支持を得てきた松本。本展では、その多彩な作品世界を紹介するとともに、松本が照らし出した「時代」を振り返り、現代にも通ずる松本作品に込められたメッセージを伝える。