EXHIBITIONS

写真の起源 英国

フアン・ドゥ・モンティゾン伯爵 リージェンツ・パーク動物園のカバ、1852年、ロンドン 1852 単塩紙  大英図書館蔵 © British Library Board(C.43.i.7)

 18世紀末から研究が始められ、1839年に最初の技術が発表されることで幕開いた写真文化。英国では、初期ヴィクトリア朝の産業革命を背景に発展し、やがて世界へと波及していく。

 62年のロンドン万国博覧会では、初の写真セクションが誕生。50年代に入ると、オリエンタリズムの兆しのなかで、英国の写真家は国外で活躍し、クリミア戦争で初めて公式記録に写真が用いられた。日本においては、53年、ペリー提督率いる米国艦隊が開港を導くと、英国も条約を締結し、写真家たちが来日。写真文化が日本にまで広まった。

 本展は、多数の日本未公開作を手がかりに、これまで日本国内で知られていなかった英国の写真文化の歴史を展覧。幕末~明治の日本人たちが憧れた華麗な英国の姿を、同時代に制作された写真によって知る貴重な機会となる。