EXHIBITIONS
衣川明子
糞して寝ようか
衣川明子はこれまで、他者(人・動物・物)と自分との関わりを持った際に生じる様々な不可解なことを、こちらを見つめているアノニマスな人もしくは動物として絵に描き起こしてきたが、今回は自身の家族をモデルとして描くなど、衣川の内面に存在する思いをより深化させた新作を発表。キャンバスに絵の具が薄く擦り付けられた、独特な生々しさのある衣川作品の特徴は健在ながらも、奇妙な心象風景の反映された画面は、見る者により鮮烈な印象を残す。
展覧会タイトルの「糞して寝ようか」には、あらゆるもの(人、動物や社会全体)に対しての衣川の愛情と願いが込められている。肉体を持って生まれたからには生命を維持するということが大前提にあり、生理現象を順番通りにこなして自然に過ごすというのは至極当然のことなのだが、無意識に行われる肉体的な働きの他に、例えば自身の受けた心の傷の存在を受け入れ認めれば、他人に同じことを繰り返す悪循環を断ち切るきっかけとなるといったことなど、精神の面においても必要な消化作業がある。
「今まで相手に糞して寝ろと言い合っていた2人が、お互い自分の糞をして、一緒に寝て休んだら、次の日はもっといい方向に行けるのでは。現代社会の中で度々遭遇する深刻な事態において、八方塞がりに感じられる状況でこそ、改めてこの言葉を投げかけたい」と衣川は言う。
展覧会タイトルの「糞して寝ようか」には、あらゆるもの(人、動物や社会全体)に対しての衣川の愛情と願いが込められている。肉体を持って生まれたからには生命を維持するということが大前提にあり、生理現象を順番通りにこなして自然に過ごすというのは至極当然のことなのだが、無意識に行われる肉体的な働きの他に、例えば自身の受けた心の傷の存在を受け入れ認めれば、他人に同じことを繰り返す悪循環を断ち切るきっかけとなるといったことなど、精神の面においても必要な消化作業がある。
「今まで相手に糞して寝ろと言い合っていた2人が、お互い自分の糞をして、一緒に寝て休んだら、次の日はもっといい方向に行けるのでは。現代社会の中で度々遭遇する深刻な事態において、八方塞がりに感じられる状況でこそ、改めてこの言葉を投げかけたい」と衣川は言う。