鈴木光／斎藤玲児　映像上映

　国内外の映画祭に出品し、現在ベルリン芸術大学メディア芸術学科に在籍しながら映像制作を行う鈴木光と、同じく映像作家で若手ながら注目を浴びる斎藤玲児の作品をオムニバス形式で上映する。

　鈴木はドキュメンタリーの手法をベースに、事実と虚構をつなぐことによって映像にわずかな違和感を含ませ、鑑賞者を引きつける作品を制作。他方の斎藤は、日々を記録し続けた写真を映像に変換することで、生きた記憶そのものから生まれた、純度の高い作品を手がける。

　鈴木と斎藤の手法や制作に対する向き合い方は真逆ともいえるが、それぞれの目線で自分たちを取り巻く日常をじっと見つめ、独自の表現に生まれ変わらせていく点では共通しており、どちらも自らを含む人間という存在への興味が表現の起点となっている。