今村育子「むこうの部屋」

　日常の些細な光景をモチーフに、空間全体を使ったインスタレーションを発表するアーティスト・今村育子の8年ぶりとなる個展が開催されている。

　今村は1978年北海道札幌市生まれ。主な展覧会に、「家族の肖像」（本郷新記念札幌彫刻美術館、北海道、2017）、「ともにいること ともにあること」（北海道立近代美術館、2016）、「AKARI reflection｜ひかりの連鎖」（モエレ沼公園、北海道、2016）、「札幌国際芸術祭2015」（札幌大通地下ギャラリー500m美術館）など。

　本展では、部屋の奥からかすかにもれでた光の空間を遠くから眺める、新作インスタレーションのほか、小作品も数点展示。一筋のほのかな明かり、かすかな音、影や気配など仕掛けられた要素が、鑑賞者の五感を揺り起こし、遠い記憶や自己を喚起させる。