EXHIBITIONS
ジョージェ・オズボルト「For better or worse」
世界各地の様々な芸術文化や伝統、宗教といったハイカルチャーからローカルチャーを引用しながら、それぞれの文化的背景からあえて切り離すことで作品世界へと昇華させてきたジョージェ・オズボルト。既存の文化価値にとらわれない引用や擬態を用い、歴史や文化的地図を遊戯的に自由に破壊してきたオズボルトの作品はときに、多文化社会の果てにある、先の見えない我々の未来を予言するイコンを彷彿とさせてきた。
今回の個展では、移民問題が取り沙汰されるオズボルトの故郷セルビアで制作された、「ノーム(地の精)」を模した小人たちの立体と新作のペインティング、および日本の根付に着想を得た彫刻作品を展示する。ユーゴスラビア解体を経験し、故国喪失者であるオズボルトが制作したセルビアの妖精たちはイギリスでの展示を経て来日する。
一方オズボルトは「手のひらの小宇宙」とも評される日本の根付を巨大な彫刻作品へと変形させ、鮮やかな色合いで表現。江戸期から現在に至るまで日本が発展させてきた造形を、作家ならではの視点で再構築させたこの新シリーズは、文化の空間軸を扱った「ノーム」と対照に、文化の時間軸と戯れるオズボルトの試みだともいえるだろう。
今回の個展では、移民問題が取り沙汰されるオズボルトの故郷セルビアで制作された、「ノーム(地の精)」を模した小人たちの立体と新作のペインティング、および日本の根付に着想を得た彫刻作品を展示する。ユーゴスラビア解体を経験し、故国喪失者であるオズボルトが制作したセルビアの妖精たちはイギリスでの展示を経て来日する。
一方オズボルトは「手のひらの小宇宙」とも評される日本の根付を巨大な彫刻作品へと変形させ、鮮やかな色合いで表現。江戸期から現在に至るまで日本が発展させてきた造形を、作家ならではの視点で再構築させたこの新シリーズは、文化の空間軸を扱った「ノーム」と対照に、文化の時間軸と戯れるオズボルトの試みだともいえるだろう。