EXHIBITIONS

冨井大裕「線を借りる」

2018.11.30 - 2019.01.25

冨井大裕 線のためのポートレイト(近藤恵介) 2018 ドローイング=近藤恵介 「卓上の絵画・春」(MA2ギャラリー、2018 )での展示風景 撮影=柳場大 © Motohiro Tomii Courtesy of Yumiko Chiba Associates

 彫刻の新たな可能性を探り、様々なかたちで提示してきた冨井大裕。付箋や色鉛筆、ハンマーやゴミ箱といった身近な既製品を用いて作品を制作し、ものが持つ従来の用途や意味を取り払うことで、新たな魅力を持つまったく異なるものへと昇華している。

 またあるときは指示書のみを展示し、観客自身がその指示に従い彫刻作品となるプロセスを踏む作品など、作品を制作する態度や行為、体験などそのものが作品として成立するか、芸術作品となるにはどのような要素が必要かを模索している。

 本展では、他者の作品から「線」を借りた作品を発表。ファッションブランド「tac:tac」のデザイナー、島瀬敬章のパターンの線をもとにつくられた彫刻作品、そのパターンから起こされた服、その服を試着する観客、そしてその様子を写す鏡、すべてのもの・こと・場・時など彫刻としての可能性を顕在化する。

 会期初日には、美術批評家の林卓行らを迎えたトークイベントを開催。12月後半には、山形ビエンナーレ2018で行われた、彫刻についての問題提起を続けるグループ「AGAIN-ST」と「コーヒーのある風景」をテーマに美術やデザインを横断するユニット「L PACK.」とのコラボレーションが再び実現し、AGAIN-STのメンバーが制作したおでんの型の展示とともに、void+の駐車場に3日間限定で屋台が登場する。