EXHIBITIONS

髙木大地「Narrative Grids」

2017.04.01 - 04.30

髙木大地 Dorpsweg 2016

髙木大地 distortion 2016

 今日の日本において描かれるべき独自の抽象画を模索してきた髙木大地が新作展を行う。

 オランダの画家ピーテル・デ・ホーホの作品《陽の射す部屋でトランプに興じる人々》などから発想を得た新作《Composition (De Hooch)》をはじめ、本展で発表する髙木の作品には、2016年のオランダ、ロッテルダムでのレジデンス滞在の影響が見られる。作家は、街なかの壁を彩るタイルや洋服のパターン、広告や印刷物、建築様式におけるリズムなどの具体的なイメージをもとに発想し、絵画で展開。異国のカルチャーに対し、ノンネイティブだからこそ享受できる美的感覚や経験を自由に再解釈し、再構成を試みる。

 モダニズムの時代、「Narrative」という言葉は軽蔑される一方で「Grids」は絵画の自律性・根源性を支える大事な要素とされていた。展覧会タイトルとしてこの2つの言葉を組み合わせる意図には、髙木の日常と地続きの精神性・人間性を抽象的な形態や色に落とし込む絵画制作を通して、自身が「掴みたい感覚」に近づけたいという願いが含まれている。

 なお髙木の個展は、国分寺のswitch pointでも4月22日まで開催される。