EXHIBITIONS

和製マジョリカタイル―憧れの連鎖

INAXライブミュージアム「土・どろんこ館」企画展示室
2018.11.03 - 2019.04.09

多色草花文レリーフタイル 不二見焼 撮影=梶原敏英

左は果物レリーフタイル(桃、ザクロ) 製造会社不詳、中央は草花文チューブライニングタイル 佐治タイル、右は多色チューブライニングタイル(草木と鳥) 不二見焼 撮影=梶原敏英(3点すべて)

 近代イギリス製の「ヴィクトリアンタイル」を模倣して、大正初期〜昭和10年代頃に日本で生産された「和製マジョリカタイル」。洋風建築に使われたヴィクトリアンタイルの意匠の美しさや耐火性・耐水性が注目され、日本での生産が望まれると、国内のタイルメーカーたちはその声に応えるべく研究を重ね、明治40年頃には乾式プレス成形法による「和製マジョリカタイル」をつくり出した。

 安価で高品質な「和製マジョリカタイル」は、昭和初期の輸出最盛期には、東南アジア、インド、中南米、オーストラリア、アフリカなどにまで輸出され、最新の研究では輸出先のニーズにあわせたタイルがつくられていたことも明らかになっている。また台湾では、「和製マジョリカタイル」に歴史的価値を見出し、保存する動きも見られている。

 本展では、イギリス製のタイルへの憧れから生まれた「和製マジョリカタイル」が、やがて世界の様々な地域の建物を彩り、根づく様子を紹介。会場内では、「和製マジョリカタイル」の復元品による「懐かしくも新しい」タイル空間を披露する。