EXHIBITIONS

吉左衞門X WOLS

2018.10.06 - 2019.03.31

ヴォルス 顔(カミーユ・ブリアン著『鯨の街』の挿画より) 1946 / 62

ヴォルス 大きな毛虫(ルネ・ド・ドリエ著『ナチュレール』の挿画より 1946 / 62

樂吉左衞門 白土焼貫茶碗 2018

樂吉左衞門 焼貫黒樂茶碗 2018

樂吉左衞門 白土焼貫茶碗 2018

  陶芸家・15代樂吉左衞門自らが設計創案・監修した樂吉左衞門館の展覧会シリーズ「吉左衞門X」の9回目では、音楽と詩に親しみ、独自の世界観をつくり上げた芸術家・ヴォルスとのコラボレーション展を開催する。

 傷ついた魂の叫びを思わせる、細いひっかき傷のような線の集合と内臓的な不定形の抽象を描いたヴォルス。第二次大戦後の主要な美術運動のひとつ「アンフォルメル」を代表する作家として、また抽象表現主義の先駆者とする見方をされるが、特定の画派や芸術運動のグループに属さなかった。

 古代中国の思想『老子』に関心を寄せ、戦後の混乱期はサルトルなどの実存主義の作家とも交流を深めるなど、自己自身を見つめたヴォルスの孤独な魂に、現代を生きる吉左衞門は自身の心と重なる部分があると深く共感したという。

 本展は、吉左衞門が制作した樂茶碗とヴォルス作品を展観し、2者に通じる深い精神性に触れることを試みる。