EXHIBITIONS

時代に生き、時代を超える

板橋区立美術館コレクションの日本近代洋画1920s-1950s

2018.09.15 - 12.24

芥川(間所)紗織 女 1955 板橋区立美術館蔵

鶴岡政男 夜の群像 1949 群馬県立近代美術館蔵

井上長三郎 静物(骨と布) 1935 板橋区立美術館蔵

井上照子 まひる 1953 板橋区立美術館蔵

難波香久三(架空像) 蒋介石よ何処へ行く 1939 板橋区立美術館蔵

 1979年の開館以来、昭和の前衛美術、とりわけ戦前に若い芸術家たちが集ったアトリエ村「池袋モンパルナス」に関する作品を中心に蒐集し、他に類を見ない優れたコレクションを形成してきた板橋区立美術館。同館の収蔵作品は、日本近代美術の一連の流れと、生活と制作を懸命に両立させようとした作家たちの存在そのものを示している。

 本展では、板橋区立美術館の全面的な協力のもと、70人以上の作家による多彩な作品を紹介。「池袋モンパルナス」に居を構えた麻生三郎、寺田政明、松本竣介たちをはじめ、男性偏重の美術界で貪欲に制作を続けた芥川(間所)紗織、桂ゆきら女性作家。さらに群馬県出身の福沢一郎、鶴岡政男の作品など約130点が一堂に会す。

 また、第二次世界大戦終戦まで東洋最大の航空機メーカーとして、日本の軍用機生産を担った中島飛行機の記録や、戦意高揚を目的につくられたすごろくや紙芝居など、群馬県内の博物館・資料館が所蔵する同時代の貴重な資料もあわせて展示。関東大震災や金融恐慌、戦争を体験した作家たちはどのような現実を抱え、作品を描いたのか、現代の視点で対峙する。