EXHIBITIONS

石川順惠

2018.09.01 - 10.20

石川順惠 Impermanence — 苧環 2014 © Yukie Ishikawa Courtesy of the artist and Blum & Poe, Los Angeles /New York / Tokyo

 ペインター・石川順惠(ゆきえ)の活動30年の取り組みを紹介する、BLUM & POEでの初個展が開催される。

 アメリカやヨーロッパ各地で、新しい美術の可能性を模索したネオ・エクスプレッショニズム(新表現主義)の動向が席巻した1980年代後半に、作家としてのキャリアをスタートさせた石川。日本でも、バブル経済を時代背景とし、デザインや消費文化といった時代性を反映しながら、既存の美術を乗り越えていくような新しい美術手法が模索された。

 このような状況下、そして日本におけるニュー・ペインティングの台頭とともに実践を展開してきた石川は、雑誌や広告といった印刷物から日常的なイメージを選択し、絵画を制作。元のイメージが持つ固有性を曖昧にするように抽象性を構成し、彩色を施すことで、3次元的空間とは一線を画す絵画的な空間を生み出すことを探求してきた。

 本展では、入り組んだ構成からなる「Impermanence(非永続性)」シリーズより、作家がスタジオの窓から見える風景の移ろいを前に、瞑想的な状況から着想した作品を発表。未完成のペインティングを加筆し、すでに完成したかに見える旧作を再構成することで、これまでの作品とは異なる絵画構造を打ち出す。