EXHIBITIONS

杉本圭助 物理、霊媒

2017.06.03 - 07.01

杉本圭助 場所 4-3 (部分画像) 2017

 杉本圭助はこれまで平面作品、立体作品、パフォーマンス、あるいはそれらを複合的なインスタレーションとして構成するなど多次元的な作品を展開。一貫して「人間」についてをテーマとして作品制作を行っており、作品の中に現れてくる有機的な造形、マチエール、素材などは、その思考を視覚的に置換。学術的でもなく、生物的にでもなく、作品制作を通して「人間」についての概念的な定義付けをするという、非常に困難な試みを行ってきた。

「人間」を考えることを通して、時間軸(パフォーマンス)や空間(インスタレーション)、次元(平面の層)といった物理学的な概念を美術という極めて感覚的な行いと接合させていくことは、まるで雲を掴むような行いであるだろう。「人間」とは何か、それを既存の概念とは別の定義に求めるためには、見えないもの、知覚できない現象をも捉えて画面上に存在させる試みを続けなくてはならず、それを今回「霊媒」と呼称するのはそのもどかしさゆえだという。まるで合わせ鏡のように際限なく続く「物理、霊媒」の二項対立から出るものが果たして「人間」の解となりえるか否か。本展で確認したい。