EXHIBITIONS

阪本トクロウ「偽の真空」

阪本トクロウ フロート

阪本トクロウ 呼吸

阪本トクロウ 水面

 東京藝術大学で日本画を専攻した後、さらに日本画塾で研鑚を積み、自身の見た日常の風景をもとに作品を描いてきた阪本トクロウ。自ら撮影した写真を素材に取捨選択して再構築したペインティングは、一見どこにでもありそうな風景でありながら、独特な構図と人の気配を感じさせない不思議な空気感を内包している。また、影響を受けたという浮世絵を彷彿とさせる、遠景と近景の大胆なレイヤーも阪本作品の魅力のひとつだ。

 近年は、普段気にとめない建物の外壁や床、会議室のような無機質な室内、また「模様」をテーマにした抽象絵画のように見える作品を制作している。

 本展では、頭の中に何も考えが浮かばず、真っ白な状態で佇んだときに視界に映った風景をモチーフとする作品を発表。空に浮かぶ雲や水面から見える鯉など、時間の流れから意識が乖離した際のヴィジョンが現れる。