EXHIBITIONS

禅僧の交流

墨蹟と水墨画を楽しむ

2018.09.01 - 10.08

因陀羅筆 楚石梵琦賛 布袋蔣摩訶問答図 1幅 14世紀(中国・元時代) 根津美術館蔵 国宝

拙宗等揚筆 山水図 1幅 15世紀(日本・室町時代) 根津美術館蔵 小林中氏寄贈

雪村周継筆 龍虎図屏風(左隻) 6曲1双 16世紀(日本・室町時代) 根津美術館蔵

無学祖元墨蹟 附衣偈断簡 1幅  弘安3(1280、日本・鎌倉時代) 根津美術館蔵 重要文化財

 古来より日本と中国の僧侶たちは交流を持ち、とりわけ中世では栄西や円爾といった著名な禅僧をはじめ、海を渡った日本人留学僧は200 人以上にものぼったという。

 当時の様子は、師から弟子へと書き与えられたものなど、それぞれが書いた墨蹟からも知ることができる。なかでも漢文体で書かれた手紙を意味する「尺牘(せきとく)」には、中国留学中に知り合った禅僧同士の友情や師弟間の絆の強さが記されている。

 いっぽう日本の禅僧は、中国の文人にならって文化サークルを形成。グループに属する仲間とともに水墨画を鑑賞して賛を付し、詩と絵とによる素晴らしい作品を誕生させている。また、高名な雪舟のように絵画制作を専門とした人がおり「画僧」と呼ばれた。その中には、画技の習得のため足利将軍家御用の同朋衆のもとで修業を行った者もいたという。

 本展では、禅僧たちの交流の中で生まれ、高僧の遺徳がしのばれるものとして現在まで大切に伝えられる墨蹟と、水墨画の名品約50件を紹介。あわせて、禅僧たちが愛でてきたやきものも展示する。