EXHIBITIONS

画廊からの発言 新世代への視点2018

向山裕 「捕食者・水たまり」

向山裕 夜も寝ない 2018

 銀座・京橋を中心とした11画廊が各々に推薦する若手作家の個展を同時開催する企画「画廊からの発言 新世代への視点2018」。ギャルリー東京ユマニテでは、100〜120号の巨大なキャンバスに、指先ほどの小さな熱帯魚や頭と尾に分かれたウナギなどを精密に描く向山裕を紹介する。

 向山は1984年兵庫県出身、2004年大阪美術専門学校絵画専攻卒業。韓国でのグループ展に参加するほか、12・15年に髙島屋各店で個展を開催。卓越した技術によって描かれた、どこか愛着を感じさせる作品で注目を集めた。近年は絵画のほか、巨大サイズのイカの骨や米粒を樹脂でつくった立体作品にも取り組むなど、その制作は広がりを見せている。珍しい海の生物などを数多くモチーフとしてきた向山の関心は、自然界とその中で息づく生命の循環、美しくも儚い現象の不可思議さにあるという。

 本展では、油彩を中心に立体作品も含む新作約10点発表。高度な技術によって制作された、繊細でありながらインパクトのある作品に注目したい。