EXHIBITIONS

薄久保香

taïmatz
2017.05.12 - 06.03

薄久保香 the configuration -束の間の間- 2017年 ©︎ Kaoru Usukubo Courtesy of taimatz

薄久保香 the configuration -束の間の間- 2017年 ©︎ Kaoru Usukubo Courtesy of taimatz

薄久保香 the configuration -束の間の間- 2017年 ©︎ Kaoru Usukubo Courtesy of taimatz

薄久保香 the configuration -束の間の間- 2017年 ©︎ Kaoru Usukubo Courtesy of taimatz

薄久保香 the configuration -束の間の間- 2017年 ©︎ Kaoru Usukubo Courtesy of taimatz

薄久保香 the configuration -束の間の間- 2017年 ©︎ Kaoru Usukubo Courtesy of taimatz

 テレビゲームや映像データへの親近感を根底に、シュルレアリスムを思わせる幻想的な絵画を通して現代のリアリティについて問いかける薄久保香。

 taïmatzで2度目となる個展では、絶え間なく変化していく周囲のあらゆる出来事に気持ちを寄せ、制作した新作のペインティング作品8点を発表する。

「この星の裏側では、窓からはいつも同じ位置にほぼ同じ大きさの地球を見ることが出来ます。太陽系が生まれて間もない頃、この星には多くの隕石が衝突し、現在も残るクレーターが偶然の法則により形作られました。この星は、地球上の大気と地殻変動から生成される”形”の法則とは異なるため、何十億年も前のクレーターが今日まではっきりと残ったのです。ただこの星の表と裏では、隕石痕の数に歴然とした違いが認められます。これを”地球の盾”と表現されることがありますが、実際は、この星の裏側で大量の溶岩が噴出する時期があったのです。この星の裏側も初期は、表側と同じように膨大な隕石痕がありましたが、大量の溶岩の噴出により埋め尽くされ、この星の裏側、つまり人類が地球から見ることの出来る側にある”海”や”うさぎ”と呼ばれる模様の部分になりました。なぜ裏側だけ溶岩の噴出が起きたかは、諸説ありますが、45億年前の出来事について、我々が理解し判断出来ることはある断片にすぎません。この星も束の間の仮の姿でしかないのです。我々の周囲には常に出来事があり、それは止むことなく変形し続けています。そして、この法則は、”ここ”と”そこ”を結びつける合言葉に他ならないのです。
ー薄久保香ー」