PAINTERS ペインターズ

　社会で価値観が多様化するなか、現代美術の分野においても、社会や政治と深く結びついた表現や、最先端のテクノロジーと融合した表現など、様々なアプローチが行われている。

　なかた美術館はその中でも、もっとも身近に親しまれてきた絵画の形式に着目し、その広がりを紹介する展覧会を開催。フランス近代絵画、日本近代絵画、尾道市をはじめ国内の洋画のコレクションに加え、欧州で活躍する日本人の現代作家や、シンガポール、マレーシア、瀬戸内を拠点とする作家たちの絵画を一堂に展示する。

　本展の出品作家は、古武家賢太郎、小金沢健人、小西紀行、稲川豊、小野環、近藤正勝、竹崎和征、三上清仁、マレーシア出身のシュシ・スライマン、シンガポールの作家、ボー・ジー・ヤン、チュウ・シエン・クアン、ウン・エイプリル。

　私的な出来事や記憶から普遍的な物語を紡ぎだすような作品、従来の絵画の枠組みを揺さぶるような作品、映像作品やプロジェクトの一環として制作された平面作品、また美術史に対する深い射程を持つような作品など、美しさや特定の様式といった、ひとつの基準だけでは語りえないこれらの作品から、現代の絵画が持つ可能性と、複雑で豊かに広がる世界を感じ取ることができるだろう。